□Start □

炎天下の中 初めて会う人を待つ
ちょっと相手に期待を持ちながら
船が港に着き 貴方は大きな荷物持って
笑顔と共に 僕の胸に飛び込んできた

「まじかよ…。」

僕の胸の中にあった期待を大きく超えていた
ドキドキしながらも そっと手を差し伸べる
ぎゅっと握られた手 ずっと離したく無い

右も左もわからない 見知らぬ土地に来た
何を信じていいのか それすらわからない私に
そっと差し伸べられた 優しい貴方の手
一気に吹っ飛んだ すべての不安や悩み

「貴方にあえてよかった」

私の中にあった不安な要素を消してくれていた
微笑んで貴方が 差し出してくれた手にぎる
照れているのがばれないように 俯きながら

たわいも無い話をしながら 車まで案内する
「荷物持つよ」と言っても 断られる
僕は頼りなかったかな?貴方よりは力あるはずだよ?
でもそんな一生懸命な貴方が 可愛らしく僕には映る

「大丈夫かな?」

助手席のドアを開け貴方を座らせてあげる
車の中暑くてごめん 早く貴方に会いたくて
急いでゲートまで迎えに行ってしまったんだ

周りをキョロキョロしながら 貴方に付いて行く
「大丈夫だよー」と返事する 強がり
女の子らしくない私は駄目かな?もっとか弱い子が好き?
でもこれが私なんだ 偽者になったって仕方ない

「大丈夫だよ」

荷物を渡せなかったのは迷惑かけたくなかったから
肩に食い込んで痛みがあったけど 渡せなかった
ただの見栄と強がりなの 嫌いにならないで お願い